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非暴力であること、慈悲と環境

time 2019/09/10

非暴力であること、慈悲と環境

ブッダやイエス、ナーナク(シク教)などの覚者たちは、皆基本的に菜食であったといいます。
なぜ、菜食だったのでしょうか。

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そもそも人は草食動物ではないのか

人間の歯肉を裂く為の牙がない。
唾液アルカリ性で穀物を消化するためのアミラーゼを含む。(肉食動物は逆に酸性で炭水化物の消化酵素は含まない。)
手の形人間の手には肉食を裏付ける鋭い爪がない。指を向かい合わせることで野菜をもいだり、
果実の皮を剥くのに便利な構造。
胃酸濃度がピッタリ草食動物と同じ。 なんと肉食動物の1/20程度しかない。
腸の長さ人間のそれは肉食動物の倍以上。
本能人は動物を愛する気持ちこそもつが、襲いかかって食べたいという欲求は皆無。 料理されはじめて食物となりえる。
弊害肉食の習慣により、人は動脈硬化等を起こす。 ガンの遠因。

犠牲、動物の命

一般的な食習慣(菜食でない)の日本人が、一生のうちに消費する食肉の総量はなんと2トン! さらに、日本人の為だけに生産し屠殺される動物の数はおよそ次の様になります。

130万頭
1700万匹
6億羽

信じ難い数字。

動物には動物のプライドがあり、役割があるはずです。私たちは本能に無い食事によって大量の動物を無闇に生産しただ殺しているのです。



※今回の記事の参考書籍。医学博士がサイババの言を裏付ける。

環境破壊

人が食用に生産する家畜の排泄物は、それ自体が環境破壊の大きな元凶ですが、更にその排泄物には、大量の抗生物質、ホルモン剤、農薬、除草剤etcが含まれていて、最終的には土壌を通し海洋を通し、人の身体に入ってくることになります。

家畜を育てる、維持するために必要なエネルギーがまた莫大です。

土地を農耕に使った場合と比べると40倍の化石燃料と100倍もの水を必要とし、さらに広大な土地がなければなりません。

現在、熱帯雨林の消失の主原因は材木を伐採するためでも、山火事によるものでもなく、50%以上は家畜の飼育のために消失したのが現実なのです。

地球の肺といわれる森林が病めば、

酸素供給はもちろんのこと、汚染物質を分解する巨大なフィルターの役割もなくなり、野生動物は棲家を追われます。

およそ世界に15億頭いるとされる牛。

もちろん食肉、乳業の為の可哀相な存在ですが、彼らの出すゲップとオナラによるメタンガスこそが、地球温暖化のいちばんの理由(CO2の21倍)でしょう。

食糧危機

食肉、乳業という産業は実にエネルギー効率の悪いダイエット(食習慣)で、それを生産する側も、消費する側も農業、菜食と比べると10倍もの労力が必要になります。

一人の肉食者は10人の菜食者と等しい分の食料を必要としている計算になります。

例えば、

アメリカで消費される食肉。 その為に育てられる動物はなんと合衆国の総人口の5倍以上を養えるだけの穀物を食べる。 仮に2億5000万(米総人口)の人々がほんの一割だけ、肉食を控えると、節約された1200万トンの穀物は、なんとなんと、現在地球上で餓死している全ての人々に食べ物を供給できる試算になります。

私たち先進国に属する人間はいったい何なのでしょうか。


世界の長寿村

日本人の近藤正二博士という方が、調べた世界の長寿村における食習慣の特徴を示します。

  1. 肉は極少量、或いは全く食べない。
  2. 魚は小魚をまるごと。切り身などは食べない。
  3. 大豆、及び大豆由来の食物を多く摂る。
  4. 植物油のみ使用のこと。
  5. 日本での平均寿命の長い地域では黒ゴマを摂る習慣が多い。
  6. 未精白の穀類が主食。
  7. 黒砂糖を好んで使う。
  8. 沿岸部は海藻をよく食べている。
  9. ニンジンやカボチャなど、緑黄色野菜の摂取が極めて多い。
  10. 塩分の使用が少ない。
  11. 日々、低カロリー食となっている。
  12. 労働し身体を動かしている。
  13. ストレスが少ない。

菜食で栄養が足りるか不安?

おもしろい逸話があります。

明治9年から約30年間、東京の帝国大学に医学部教授として在籍していた、ベルツ博士というドイツの方がいます。皇室のお抱え医師でもありました。

このベルツ博士が初来日した際、最も驚いたことが、人力車の車夫達のスタミナだったそうです。

彼らは穀物と野菜だけの植物食を摂り、日に40キロもの走行を生業としていました。

博士は彼らと3週間ともにし、粗末な食事で体重が落ちないことを不思議に思い、彼らのためをも想って、牛肉食を与えてみました。

すると、彼らのパフォーマンスが落ち、3日でダウンしたそうです。

その後、元の植物食に戻したところ、速やかに回復し、日に40キロの行程をこなせるようになったとのこと。

今日、ヴェジタリアン、ヴィーガンのアスリートが色々な分野で活躍しています。

わたしの体験では肉食をやめて、風邪を引かなくなった、身体が軽くなった、柔軟性が上がった、回復が早い、怪我が減ったというような体調の好転を実感しています。



どのみち肉は食べられなくなってくる

ここまで述べたとおり、食肉を生産することは莫大なエネルギーを消費し、地球環境を削るものです。

今後、自己の健康を保つことと自然環境を護ることが、同一の意味を持っているという意識はどんどん高まってくると思います。

私は菜食に転じて、10年弱かった昔の身体が嘘のように強くしなやかになりました。

将来、菜食者には保険が安くなったり、医療費の控除があったりなども出てくるのではないかと思えるほど、体調には根本的な変化があります。

エネルギー削減の方向には否応なしに向かっていくでしょう。 毎日の食事を変えることこそが最も効果的な方法で一人の人が肉を食べるのをやめれば、どれだけの動物と人が間接的に助かり環境が保たれるか、人の運勢というのもこういうところで決まるのかも知れません。

慈悲のココロ

ココロは食べたもので造られるというのが、宗教の巨人たちの言です。 肉食をすれば、残酷なココロが育ち血を好むようになる。

それこそが、覚者達が揃って菜食であった理由であり、大悲のココロは痛みの無いものを食べて育つ。

彼らは他者に痛みを与えれば、自分に返ってくるといいます。

慎むべきは食、ココロも身体も食べたものの反映ですから。

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アヒンサーと読んでください。ヨーガの専門用語で非暴力を意味します。暴力や無益な殺生を止めましょうという話を展開してまいります。 ベジタリアンのお役立ち情報や、旅行記なども合わせて紹介していきます。