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貧しさからくる病、豊かさかるくる病

time 2019/10/08

貧しさからくる病、豊かさかるくる病

病気を二通りに分けると、貧しさからくる病と豊かさかるくる病に分けることができます。
それぞれの特徴をあげていきます。

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貧しさを原因とする病気

これは、発展途上にある国、地域において、その「食習慣」、「ライフスタイル」、「衛生条件」に左右される病気群。
簡単にいうと栄誉失調や下水等の処理が甘く、菌がはびこってしまう環境等です。

主な病気には、

肺炎
腸閉塞
消化器系の潰瘍、病気
肺結核
寄生虫症
リウマチ性心疾患
糖尿病ではないが、内分泌の異常
骨粗鬆症
妊娠中の病気
その他多数

ザッと挙げても上のようになり、キリがないほどですが、これらの病気はその地域が、豊かに或いはキレイに、便利になるに連れて罹患が減る傾向があります。
ですので、適切な応急処置と充分な栄養、衛生的な場所で休むことで、回復、完治の望めるものです。
アジア型の病気といえます。

豊かさのもたらす病気

こちらは、たったの3つのタイプに集約されてくるでしょう。

白血病含む、あらゆるタイプのガン
糖尿病
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞

貧しさを原因とする病気とは真逆ですが、栄養過多により引き起こされる欧米型の病気です。

両者の間で顕著な差のあるコレステロールについて書きます。


コレステロール

豊かさの招く病気の特徴はコレステロール値が高いことです。 心血管系のイベントはもとより乳がん、前立腺がん、大腸がんなども高コレステロールとの密接な関係が証明されており、注意が必要ですが、コレステロールには足りなすぎてもイケないとう俗説があります。

日本ではコレステロール値が低いと数値を上げる為に動物性食品を摂るよう促す、医師や栄養士がかなりいるようですが、
コレステロールは肝臓で生産されるため、外から摂る必要は全く無いとは、心臓病の権威であるエセルスティン博士の言葉で、上記のコレステロールが低いから動物性食品を摂取するというのは、実は既に肝臓が冒されていて、コレステロールの生産能力が阻害されている人が深刻な病気になっているという、逆さまの理論のようです。

実際に、3人の著名な心臓病研究の医師、カステリ博士、ロバーツ博士、エセルスティン博士の長いキャリアを通じ、血中コレステロール値が150mg/dl以下のものに心臓病など見当たらなかったという話があります。

この150mg/dl以下というスコアは菜食でなければ難しいかも知れませんが、LH比という考え方も大切になってきます。

私自身ですが、菜食になってちょうど10年程、その間に毎年3回の献血を健康診断代わりに受けています。 コレステロール値はLDL(悪玉)、HDL(善玉)足して130〜150ぐらいでしょうか。
一般に、LDLとHDLの比率は1.5が望ましいとされていますが、これは一つの方便で肉食前提の比率ですから、善玉が多いに越したことはないでしょう。
私の比率ですが、ほぼ1。 時には、善玉が悪玉を凌駕し1を割っています。 しかし、これは食生活が菜食前提かつ運動の習慣によるもので、善玉の数値が逆転することは通常はあまりないようです。

LH比は、
LDL(悪玉) ÷ HDL(善玉) で出します。  例) LDL(100) ÷ HDL(65) = 1.538

LH比血管内の状態
1.5以下キレイな状態、ばっちり。
2.0以上血管内壁にコレステロールの体積が疑われる。
2.5以上血栓が出来ている可能性あり。狭心症、心筋梗塞に気を付ける。

コレステロール値のトータルが220mg/dl未満であるのが適正とされるのが日本です。 これはちょっと多すぎでしょう!

前述の150mg/dlという数値からみれば、全ての人が危険水域にあるということになります。

極端ですが、直近の私の総コレステロール値は145で、LH比は、70 ÷ 75 = 0.933。
ヴェジタリアンですと身体がこんな風に変化し、脂肪も筋肉も軽く柔らかく変化し肉食者とは別物になります。 非常に回復が早い特徴があります。

かつて私は献血を断られ続けてきました。 献血用の太い針は通常の食生活をしている人向けですので、血管内壁にコレステロールの支えがあるのが前提だそうです。
菜食ですとそれがなく、太い針は柔らかい血管そのものを吸い込む怖れがあるとのことでした。

今は、ヴェジタリアンであることを告げうまく刺してもらっています。



食事とコレステロール

これは非常に分かり安く、以下の通り

食品摂取量血中コレステロール値
増加するにつれて上昇
牛乳、卵、魚
動物性タンパク質
植物性タンパク質増加するにつれて低下
食物繊維
セルロース
ヘミセルロース
可溶性炭水化物
カロテン類
植物性ビタミンB類
豆類
淡色野菜
緑黄色野菜
ニンジン
芋類
穀類
果物

狭心症が張り子の虎といわれる由縁はこれで、胸が苦しい左腕が痺れるなど特有の症状が出たら、即座に食生活を改め、菜食に徹すればステントを逃れることができる可能性が大いにあることを示しています。

不幸にも乳がん、前立腺がん、大腸がん等を得てしまっても、やはり肉を断ち菜食に徹することで回復の望みが出るし、再発の憂いはグッと減る筈。

豊かさかるくる病の方が致命的

飢えがなくなるのはいいことですが、どうも人類は飢えていた時間が長かったせいか、ひもじい分にはかなりの耐性がありますが、栄養過多には非常に弱そうです。

遺伝子の記憶は飢えたくないと、目の前の食べ物を際限なく欲し、どんどん脂肪に蓄えてしまうのかもしれません。

しかし、それが仇となってより大きな苦しみに直面せざる負えないとは、なんとも皮肉なことです。

美味しいものに溢れかえっている現代、目の前から食べ物が消えることはまずありません。
ならば、食べるものを変えなければ、早晩病魔に追い付かれてしまうのが関の山。 

私が初めて東南アジアに旅行をし始めたのは、今から15年程前。 
当時と今とを比べると明らかに都市部の人々の体格は良くなりました。
身長が伸び、横にも随分でっぷりした人を散見します。 
タイのお坊さんですらタンブンによって糖尿病に悩まされている時代ですから、各自がどこかで線引きをしないと食べ物に喰い殺されてしまいそうです。

※タンブンとは飲食による布施。

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アヒンサーと読んでください。ヨーガの専門用語で非暴力を意味します。暴力や無益な殺生を止めましょうという話を展開してまいります。 ベジタリアンのお役立ち情報や、旅行記なども合わせて紹介していきます。