2021/04/04
断食療法と西式健康法の組み合わせで数々の奇跡的治病例を誇る、故甲田光雄先生がラジオ出演されたレアな記録があります。
備忘録として残す2回目です。(全6回予定)
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もくじ
甲田光雄
大正13年大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。
中学生以来の病弱体質、また大学時代の断食体験から各種の民間療法を自ら実践研究を続け、超低カロリー食による自然治癒力での回復の成功。
近代医学、現代栄養学の定説をくつがえすこの療法で各種の難病を克服し実績を上げている。
日本総合医学会会長、元大阪大学非常勤講師。
『断食療法の科学』など著書多数。
本編02
甲田先生食事量〜つづき
甲田 こんなことを約1年間の間に5〜6回繰り返しました。しまいに朝飯抜いたほうが調子がいいんだから、ナンボ痩せてももう抜いてしまえっ!! 思い切って踏ん切ってしまいましたが、それからはもう慣れてしまいまして、50年間一切朝飯食べませんけどもね。
金光 痩せないですか!?
甲田 ええ、ある程度までいったらもう痩せないです。そして暫く経ったら、ぼちぼちと体重は戻ってきます。
正しい少食
金光 現代のダイエットが食事を抜いて、抜いた分を大食して補ってしまう、、。
甲田 当初は、朝食べない分を昼や夜に多く食べていたが、それだと身体の調子が悪いんです。それが分かってきましたので、やっぱりですね、朝2、昼2、晩2と食べておったらですねぇ、朝を抜いて昼も2、晩も2でいかないけないワケですね。
金光 朝を抜いて、昼と夜3、3じゃイカンわけですか。
甲田 昼2、晩も2を通す。これが正しい朝飯抜きです。
金光 甲田先生のように、一食だけになってしまえば、もう断食をしなくてもよろしいのですか?
甲田 宿便が全部出てしまって、少食を徹底するなば、もう断食をする必要はないですね。しかし、時々会合などで食べ過ぎた場合は翌日断食するなどして、調節をします。
金光 あの〜、断固として召し上がらないのではなくて、みなさんと一緒に会合の時などは召し上がられるのですか?
甲田 殆ど食べませんけどね、やっぱり昔の親しい友達などが集まった時に、”お前、そんなこと言うな。ちょっとこれぐらい食べろよ!”っと言われれば、それを無理に断るワケにはいかないんですねぇ。 なんで、そういう時は食べさして頂きますが、そのあくる日は一日断食と。
金光 ほう〜。
甲田 これが面白いんですが、例えば夜普通に食事をした場合、あくる日は腹減らないんです。朝4:00時に起きて20:00時まで腹減らないんです。しんどいやろかと思われますが、15:00時ごろがいちばん力でる。 ところがですね、夕食を食べたあとに、22:00時ごろに友達と何か食べるとすると、あくる日はものすっごい腹減ります!!
偽バラ
甲田 これは胃の荒れた状態が空腹感を出すのです。これを偽バラといいまして、本当の空腹ではないんだと。胃が荒れた状態。だから、いつも腹減った、腹減ったーというのは胃が荒れています。
なので、晩に食べ過ぎた場合はあくる日は腹が減ります。 ところが、そこを食べないで、辛抱しておったら夕方には空腹感は無くなっています。あー、これで胃の荒れが治ったなと。
金光 空腹というのは食べないと出てくると思っていました。
甲田 そうじゃない。前の晩に食べ過ぎた方が、ものすごく腹が減ります(笑)でも普通は前の日に食べ過ぎて胃が荒れても、朝食べますから空腹感が出て来ないんです。誤魔化してますねん。
我々は朝断食して昼も断食しますから、昨夜の不養生がちゃんと出てくるワケですよ。出てきたほうがイイんです。
甲田先生の食事内容
金光 一食、どのくらい召し上がるのですか?
甲田 生野菜、あおいやつドロドロにしたやつとにんじん擦って、それから玄米、玄米も生。
金光 えっ!!
甲田 生。生の玄米を粉にして食べるんです(笑)
金光 どのくらいの量の玄米ですか?
甲田 一合の半分ぐらいです。70〜80グラムです。粉でそのまま食べます。
金光 生野菜の青汁とにんじんのおろしたもの、それと生の玄米をその程度。それだけですか?
甲田 それと大豆、豆腐半丁。そんだけです。
金光 それじゃ、栄養失調でダメになるじゃないですか。
甲田 ならない。私のところではですね、難病の方を断食と西式健康法で救ってやろうという悲願から、特殊な医院をやっていて、薬は使わない、注射も打たない。そんなんで、難病の患者さんはどんどん治ってくる姿を見てね、これはもう〜誰がなんと言おうが、この医学は間違いない! その信念がだんだん出来上がってきます。
それで同窓会行って、断食やったらな、喘息も慢性肝炎も膠原病も治るでと言うと、みんな笑って相手にしてくれませんねん。
絶食研究会発足
金光 同窓会は、阪大の医学部。。お医者さんばっかりですか?
甲田 そうそうそう。これはいくら言っても納得してくれない。データが必要になるなと。それでですね、昭和42年に5人の医者が集まって、ちょうど淡路島の健康道場で断食療法を指導しておられた今村もとお先生、奈良医大の川島先生、東京のひの(ひご?)あつし先生、そういう先生がちょうど5人、私の処に入院しておられました。断食やってました。でそこで民間療法の断食を医学者はまだ誰も信用してへん、これを学問にして現代医学者に納得してもらおうやないかと、初めて絶食研究会っちゅうのが昭和42年に出来たワケです。
で、ずーーっとこうして33回の大会が続いてきまして、今たくさんのお医者さんが加わってくれるようになりましたけども。
そのようにして、断食のデータを発表してきました。
食べたいという衝動と失敗
金光 断食中の食べたいという食欲はどうなさったのですか?
甲田 私のいちばん苦労したのはですね、生まれつきの甘党で饅頭でも1個や2個やなくて、同じ食べるなら3つも4つも大福餅でも(笑)ところがですね、西式健康法ではね、甘いものは健康に悪いということを徹底的に教えていますのでね、なんとしても甘い物ヤメないかんなと。昭和25年からずーっとどうしたら甘い物をヤメられるか苦労したワケですわ。
金光 欲しいという気持ちは起こる?
甲田 そうです。何遍も甘いものを食べんぞと、日記につけたりしましたが、大福餅をあんころ餅を6つも食べてしもうたとかね、それやったら今度は元旦からやろうやないかと。それで失敗して、、今度は誕生日からやろうと、何遍も失敗して柱に甘い物を食べないと刻みつけるようにしました。そして、部屋中の柱が傷だらけになって、それを見た私の兄貴に”お前の柱いったいなにやっとんねん! あっちもこっちも傷だらけやないかい!!”と(笑)
それでも、なかなかですね〜、甘い物をやめられないと、、、。
それやったらもう、甘い物をヤメられ無いようじゃ、患者さんを救う資格なんかない! もう死んでしまえ!!という気持ちになりました。
でもどうせ、死ぬんならなァ、今晩ぜんざい腹いっぱい食べて死のうと(笑)(笑)
人間なんてそんなものですよ(笑)
で、だんだん分かったのは、これは食べてはいけないと人間縛ってはいけないなと。縛れば縛るほど難しくなる。今の若い子のダイエットもこれなんですな。食べたらイカン、食べたらイカンとその反動でいっぱい食べて失敗してるワケですよ。
切に想うこころ、愛と慈悲
甲田 人間の本能を抑えるということを、むやみやたらにやってはいけない。 そこが初めて分かったんです。
散々、苦労して分かったことは、少食になりたい、、甘い物をやめたいという想いを強くしようと、想いがいちばん大事だ、想念ですなァ。
道元禅師も”切に想う心強ければ、必ず方便も出来る様あるべし”と仰ってます。 それが私にガチーーーッンと来たわけです。 これは想念だ、、想いというものが人間を変える事ができるんだ、、、。
少食になりたい、少食になりたい。 そして、ただ少食になるのではなしに、それは命を粗末にしない、愛と慈悲であると、初めてそこに気付いたんですネ。
それで、少食にすれば何故、病気が治るかというと、命を粗末にしないということを実行する者に、神様は健やかに老いるということを与えられるんだと。
金光 ということは、自分の命以外も食べるものも全部命であると。
甲田 そういうことです。 わたしはね、それが初めて分かったんですね、実感としてね。
つづく