2021/04/04
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骨折率と食事の関係
牛乳は骨を丈夫にするものとして、世界中で飲まれています。
世界で最も乳製品を消費するのがアメリカ。
ですので、
普通に考えると、アメリカや乳業の盛んな国の人々は、誰よりも強い骨を有し、骨折とは無縁であるのがあるべき姿。
ところが実際は、アメリカの50歳以上の女性が、世界でも最も骨折率が多いという研究報告があります。
そして骨粗鬆症に至ってはアメリカ以上に発症率が高いのがヨーロッパ各国とオーストラリアとニュージーランド。
ともに乳産業が非常に盛んな地域です。
一体、何がどうなっているのでしょうか?
牛乳&乳製品の消費の多い国々
一人あたりの各国乳製品の消費量を日本と比較してみます。
全乳 | スキムミルク | 無・低脂肪乳 | チーズ | バター | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
フィンランド | 130.8 | 64.3 | 351.0 | 14.6 | 5.7 | 566.3 |
スウェーデン | 79.5 | 104.6 | 354.8 | 16.5 | 4.5 | 560.0 |
オランダ | 123.8 | 45.0 | 344.1 | 18.5 | 2.2 | 533.5 |
スイス | 101.3 | 40.2 | 316.8 | 15.0 | 6.2 | 479.5 |
ノルウェー | 90.7 | 50.1 | 270.9 | 15.4 | 2.7 | 429.8 |
フランス | 67.6 | 32.5 | 259.6 | 22.0 | 8.8 | 390.5 |
ドイツ | 70.8 | 43.1 | 243.5 | 18.0 | 7.1 | 382.6 |
イギリス | 120.9 | 19.5 | 225.7 | 9.2 | 3.2 | 378.5 |
イタリア | 44.8 | 28.6 | 250.1 | 18.8 | 2.1 | 344.3 |
デンマーク | 56.8 | 34.0 | 216.9 | 15.0 | 2.0 | 324.8 |
スペイン | 111.1 | 5.6 | 163.9 | 5.7 | 0.3 | 286.7 |
日本 | 46.6 | 8.3 | 68.1 | 2.2 | 0.7 | 125.8 |
※北欧は日本の約5倍弱に相当する。
このグラフは、ほぼヨーロッパにおける骨粗鬆症の発症率が高い順でもあります。
骨粗鬆症の推移
日本が乳製品を大量に消費するようになったのは戦後の話です。 敗戦国ですから戦勝国の文化、食品、製品を受け入れるのは宿命でもあります。
戦前の日本の牛乳消費量は現在の1/20以下、もし牛乳が骨を強くするならば、骨粗鬆症患者は戦前と比べ減っていなければおかしいのですが、
骨粗鬆症患者は増える一方に。
日本の平均的カルシウム摂取量 | 骨粗鬆症の患者数 | |
---|---|---|
戦前 | 300mg/ 日以下 | ほぼ皆無 |
戦後〜現在 | 500〜/mg 日以上 | 人口のおよそ10% |
※厚生労働省は日に600〜700mg推奨としているが、、、。
因みに日本国内で骨粗鬆症の患者数が最も多いのは、乳業が全国でも1〜2位を争うほど盛んな、栃木県であるというのも偶然ではないでしょう。
カルシウム・パラドックス
カルシウムの摂取量が多い国に骨の疾患が多いという現象をカルシウム・パラドックスと呼ぶことがある。骨の材料となっているカルシウムを摂取しているにもかかわらず、骨折や骨粗鬆症が多いという、逆説的なことが起こっていることから、このように呼ばれている。
2002年に世界保健機構 (WHO) は、カルシウム・パラドックスに言及し動物性たんぱく質による酸性の負荷に触れており、2007年にWHOは、タンパク質中の含硫アミノ酸、メチオニン、システインの酸が骨のカルシウムを流出させるため骨の健康に影響を与えるため、カリウムを含む野菜や果物のアルカリ化の効果が少ないときカルシウムを損失させるため骨密度を低下させると報告した。
※Wikipediaより。
骨を作るには、カルシウムだけでなくマグネシウムやリンなどのミネラルも同時に摂ることが不可欠です。とくにマグネシウムはカルシウムに対して1/2の量を摂るのが理想的ですが、牛乳にはマグネシウムがカルシウムの1/10しか含まれていません。
カルシウムだけが、突出して多いのです。 結果、体内に入った牛乳は骨からマグネシウムやリンを奪い中和されるという悲劇が起こります。
強い骨は安全な植物食で
米国栄養学会による、乳製品以外のカルシウムが多く含まれる食品。
カルシウム豊富な野菜 | 含有量(100g中) | 備考(他に豊富なもの) |
---|---|---|
アーモンド | 230mg | ビタミンE、ビタミンB2、オレイン酸 |
ケール | 220mg | ブロッコリーの4倍量のβ-カロテン、スルフォラファン(ファイトケミカル) |
豆腐 | 120mg | タンパク質は牛乳の約2倍。水溶性な為、吸収が良い。 |
チンゲン菜 | 100mg | β-カロテン、ビタミンCやカリウム、鉄分。 |
オクラ | 92mg | ビタミンB1、B2、C、β-カロテン、食物繊維。 ムコ多糖類。 |
枝豆 | 58mg | タンパク質、脂質、食物繊維、カロテン、ビタミンC、ダイズサポニン、イソフラボン。 |
キャベツ | 43mg | ビタミンC、ビタミンU。 |
ブロッコリー | 38mg | β-カロテン、ビタミンC、ビタミンB1、B2。 各種ミネラル。 |
オレンジ | 21mg | ビタミンC。苦み成分のヘスペリジンは、血圧を下げ、毛細血管を強くする。 |
※牛乳、ヨーグルトは100g中約110mgほどのカルシウム量、チンゲン菜と豆腐の間です。
植物食にはエラーがありません。 動物性と比べれば体内での合成は遅いのかも知れませんが、キッチリと細密に組織を造ってくれるでしょう。
ひじきや納豆、にんじん等も定評があり、簡単に言ってしまうと充分に野菜を食べていればカルシウムが不足することはありません。
ところが牛乳や乳製品というカルシウムだけが多い不自然なものを摂取してしまうと、全体のバランスが崩れ、結果的にカルシウムが体内から流れ出てしまうという皮肉な結果となります。
また、日光浴によるビタミンDはカルシウムの吸収を大いに助けてくれますから、適度に日差しを受けることは骨のためですので、太陽と仲良くしましょう。